【高齢者の転倒予防】お家の環境整備と5つの体操で転倒のない生活を

体操

 

はじめに

「最近、歩く姿がふらふらしている気がする…」

 

「転倒しないか心配…」

そんな風に感じることはありませんか?

高齢者に介護が必要になった主な原因についての調査では、「骨折・転倒」が第3位に入っています。

出典:厚生労働省 令和4年国民生活基礎調査

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/dl/05.pdf

高齢になると病気はいつ誰に起こるかわからないものですが、転倒は誰でも予防することができます。

身の回りの環境を整えることや、毎日無理のない範囲で運動することで安全な在宅生活を続けることができるのです。

この記事では、在宅生活で転倒が起こりやすい場所や環境整備、すぐにできる転倒予防の体操を紹介します。

介護が必要になる前に、今できる転倒予防を始めましょう。

1.高齢になると転倒リスクが上がる

そもそもなぜ、高齢になると転びやすくなるの?

転んでしまうと、どのようなことが起こるの?

まずは、高齢者の転倒の要因と転倒予防の重要性について解説していきます。

高齢者の転倒リスクが上がる原因には、大きく分けて外的要因と内的要因があります。

【外的要因】

・手すりがない段差や階段

・浴室などのぬれた床

・通り道にものが置いてある

このような自宅内の環境を整えることで、転倒を引き起こす要因を減らすことができます。

【内的要因】

・全身の筋力低下

・バランス能力の低下

・視力低下

・病気や薬の副作用

加齢に伴い、筋力低下やバランス能力の低下が起こり始めると、移動時の「ふらつき」が増加します。

特にふらつきやすいのは立ち上がった後の”歩き始め”です。

高齢者の転倒によるけがは2番目に足の骨折が多く、骨折をした場合は要入院となる高齢者 が 76%に上ります。

出典:消費者庁ニュースリリースhttps://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_040/assets/consumer_safety_cms204_201008_01.pdf

転倒による骨折→入院や手術→活動量・体力の低下→介護が必要になる

入院をきっかけに認知症を発症する可能性もあります。

この負の連鎖を防ぐため、転倒予防は非常に重要となるのです。

2.高齢者が転倒しやすいお家の環境と対策

高齢者は自宅のどこで、どんな時に転んでしまうのでしょうか?

転倒しやすい場所を知っておくと、対策もしやすく日頃から注意深く過ごすことができます。

高齢者が転倒した場所についての調査では、庭を除くと次に多いのはリビング、玄関、階段、寝室、廊下、浴室と続きます。

出典:内閣府 平成22年度 高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査結果

平成22年度 高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査結果(全体版)PDF形式 - 内閣府
内閣府の政策(経済財政、科学技術、防災、沖縄・北方、共生社会(含む少子化)、男女共同参画、安全関連(食品・原子力・交通)等)、統計・調査(GDP統計、世論調査等)、白書・年次報告書、パブコメ・意見募集等を掲載。

場所ごとに、それぞれの転倒リスクや環境整備について解説していきます。

①リビング

リビングはカーペットやコードなど、つまずく危険性の高い場所です。

コードは壁際にまとめて、テレビのリモコンや郵便物は床に置かないようにしましょう。

また、ソファは座面が低く沈み込むため、高齢者にとっては立ち上がるのが大変です。ひじ掛けがついた椅子で過ごすようにするなど、立ち上がる時に支えになるものがあると安全に移動することができます。

②玄関

玄関は、段差や上がり框、靴の脱ぎ履きをする上で転倒リスクの高い場所です。

下駄箱や手すりなど支えになる場所はありますか?立ったまま靴を履くのが心配な人は椅子を用意しましょう。

また、高齢者にとって、座って足元に手を伸ばすのは結構負担がかかる姿勢です。足台や靴べらを用意するのもおすすめです。

③階段

階段は、特に下りで足の筋力が最も必要となり、滑る、踏み外すなどに注意が必要です。

手すりや滑り止めの設置が有効となります。

階段の上り下りが大変になってきていると感じたら、寝室を1階に移すことも検討しましょう。

④寝室

寝室で最も転倒リスクが高くなるのは、夜間、トイレに起きた時です。寝起きでありながら、周囲が暗いため注意が必要です。ベッドから安全に起き上がりや立ち上がりができるよう、ベッドに柵がない場合は設置しましょう。

⑤廊下

廊下は、寝室とトイレやリビングを繋ぐ、導線となる場所です。導線の途中にものがあるとつまずいたり、避けて通る必要があり転倒リスクが高くなります。邪魔になっているものがないか確認しておきましょう。

⑥浴室

浴室もぬれた床での移動や、浴槽へまたぐ必要があるため転倒リスクの高い場所です。最近では浴槽の淵に幅をもたせて、腰をかけて出入りできる浴槽もありますが、シャワーチェアや滑り止めマットがあると安心です。

脱衣所での着替えはバランスを崩さないよう椅子を用意しましょう。

また、入浴の前後で脱衣所との温度差が大きくならないよう注意しましょう。

どの場所も少しの工夫や確認で、転倒を防ぐことができます。滑り止めなどは、最近ではホームセンターや100円ショップでも扱っている所があります。

要支援・要介護認定を受けている方は、介護保険を利用して手すりなどの福祉用具をレンタルしたり、住宅改修をすることができます。トイレでの立ち座りや浴室(浴槽)の出入り、階段の手すり設置などを検討する方は担当ケアマネージャーに相談してみてください。

3.体操をして転倒を予防しよう!

適度な運動は、加齢に伴う筋力低下やバランス能力低下を防止し心身ともに健康な状態を維持することができます。

 

「私にもできるかしら…」

なかでもすぐにできる転倒予防体操を5つ紹介します。

①かかと上げ(立位)

 壁の前に立ち軽く手を添えて、

 左右のかかとを上げてつま先立ちをします。

 10秒キープ×10回 1日3回

 ふらつきが心配な方は、手すりやテーブルの前など

 支えがある場所で行いましょう。

 [point] 体が前に傾かないように まっすぐ上に!

②片足立ち(立位)

 壁の前に立ち軽く手を添えて、片方の足を持ち上げます。

 10秒キープ×10回 1日3回 左右交互に行います。

 ふらつきが心配な方は、手すりやテーブルの前など

 支えがある場所で行いましょう。

 [point] できるだけグラグラしないようにバランスをとる

③腿上げ(座位)

 椅子に座り、背筋を伸ばします。

 左右交互にももを持ち上げます。

 10秒キープ×10回 1日3回 左右交互に行います。

 [point] 背中がまるくならないように

④膝伸ばし(座位)

 椅子に座り、背筋を伸ばします。

 左右交互にひざを伸ばします。

 10秒キープ×10回 1日3回 左右交互に行います。

 [point] グッと力を入れて つま先は上に向ける

⑤椅子からの立ち上がり運動

 椅子に座り、背筋を伸ばします。前かがみになり椅子から立ち上がります。

 座るときも前かがみになり、 お辞儀をするようにゆっくりと座ります。

 10回 1日3回

 

 

つらいと感じる方は、ひじ掛けやテーブルに手をついて行いましょう。

[point] 立ち上がったら背筋を伸ばす どすっと座らないように!

4.転倒予防グッズを紹介

多くの方は自宅でスリッパを履いたり、靴下で過ごしていませんか?

「スリッパや靴下はなんとなく危なそうだけど素足でいるのは冷える…」

かかとのあるスリッパや滑り止め付きの靴下は転倒を予防することができます。

高齢者にとってスリッパは脱げやすくつまずいたり、靴下は滑りやすく転倒リスクが高くなります。高齢になるとバランス能力が低下し、ふらついた時に踏ん張りがきかなかったり、とっさの判断ができず手が出ないなど、けがの程度も大きくなる可能性があります。

かかとのあるスリッパや滑り止め付きの靴下は、それらの不安を解消することができとてもおすすめです。どちらもホームセンターやECサイトでの取り扱いも多く簡単に取り入れることができるのでぜひ活用してみてください。

5.まとめ

この記事では、高齢者が在宅生活で転倒を予防するための環境整備や体操についてお伝えしました。

体調や疲れ具合によって、回数を減らしても大丈夫。

無理せずできるものから行い、簡単に感じたら少しずつ運動の回数や頻度を増やしてみましょう。

高齢者が転倒なく元気に過ごせる、生活の手助けになると嬉しいです。

介護が必要になる前に、今できる転倒予防を始めましょう。

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